心の病を持つ患者へ適切なサポートをするのが精神保健福祉士の役割です

人と人を繋ぐ大切な仕事

男女

心の病を患う人は世界的に見ても増加傾向にあります。中でもうつ病はここ数年だけでも急激な増加がみられ、日本では100万人を超える勢いです。そして患者の中には長い間誰にも言えず、病状をさらに悪化させてしまうケースも少なくありませんでした。これは世間からの心の病に対する偏見や思い込みが根強く残っていたことが大きな原因です。しかし最近では病気への見方も大きく変わり、気軽に医療機関を訪れる人が増えています。このような心の病を患う人やその兆候が見られる人を親身にサポートするのが精神保健福祉士の役割です。患者の症状は人によりかなり異なるので、慎重さと正確な判断も求められます。しかも問題を抱えた人の多くは他人とコミュニケーションを取るのがあまり得意ではありません。相手のわずかな表情の変化などから、感情を読み取り問題解決へのきっかけを探っていきます。人の心と向き合うことは決して簡単なことではありませんが、患者を通じて自らの心の成長も促していくことが期待できます。そして何と言っても回復していく姿と笑顔に接することができるのが、この仕事の大きな魅力です。この仕事は精神疾患を持つ人と社会とを繋ぐ、大きな役割があると言えます。

適性に合う職場を選ぼう

医師と女性

心の病を患う人を対象とした仕事は数多くあります。精神科医をはじめ臨床心理士やカウンセラー、作業療法士などいずれも専門的な知識や豊富な経験が必要とされる仕事です。その中でも精神保健福祉士は個々の生活や就業を支えていかなければなりません。活躍できる職場は数多くありますが、それぞれの特徴についてあらかじめ理解しておきましょう。まずあげられるのが精神科のある病院です。医師や看護師とのパイプ役としての役割が主な仕事です。その他にも福祉行政機関での仕事や教育機関でスクールソーシャルワーカーとしての仕事もあります。さらに実績や経験を積めば司法施設での社会復帰調整官としての道もひらかれています。このような職場で精神保健福祉士として仕事をするためには国家資格を取得することが必要です。最も一般的なのが4年制の福祉系大学か4年制の専門学校で学ぶコースです。卒業と同時に受験資格が得られます。その他にも指定施設で実務を4年経験した後で、一般養成施設で学んで受験資格を獲得する方法もあります。いずれにしても国家資格を取得後に各職場で行われる採用試験に合格することが必要です。